椰月美智子「るり姉」を読んだ感想

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るり姉

文庫本入手

帯に惹かれて買った一冊。興味のないことに関してはPOPとか興味ないけど、興味ある分野だとけっこう効果あるね(笑)

2009年上半期「本の雑誌」エンタメ部門で1位だったみたい。辛口(?)の北上次郎の名前もあるし。

あんまり北上次郎好きじゃないけど。。。伊坂作品で解説書いてたから、なかなかの書評家かしらと思っていたら、他の私が面白いと思った本を評価してなかったんだったかな。それで勝手に印象悪いです(笑)

感想

「るり姉」を中心にして語り手と時間軸が章によって移り変わっていくってだけで面白そう(゚∀゚)

思い出せないし、読んでないけど、過去に脇役の語りによって中心人物がどんな人物だった際立たせる本があったような。

何となく調べてみた。「吉原手引草」かなぁ。「安徳天皇漂海記」かとも思ったけど、こっちは違いそう。

あらすじ

三姉妹が慕う、母親の妹のるり姉は天真爛漫で感激屋。周りの人々を楽しい気分にさせてくれる天才だ。だが、そんなるり姉が入院した。季節を遡り、三姉妹や母親、るり姉の夫の視点から、元気だったるり姉との愛おしい日々が語られる。日常にある幸せが一番大切だと気づかせてくれる連作家族小説。

ネタバレ感想

文庫本の後ろにラストの静かな感動が胸いっぱいに広がるって書いてあるのよ。で、読み進めると物語の中心人物である「るり姉」が病気になるわけで。

しかも目次が時間軸別なんだけど、過去に戻ってからの未来になると来たもんで、これきっと「るり姉」は死ぬんだなと思いつつ最後の章まで来たら、るり姉が普通にぴんぴんして出てきた(笑)

死ねば感動するわけじゃないけど、何というか肩透かし。

第一章 さつき―夏
「るり姉」の姉(けい子)の長女が語り手。

ここでいきなり「るり姉」が入院することに。余命あんまりないんじゃないかってところで終了。

第二章 けい子―その春
「るり姉」の姉が語り手。さつき、みやこ、みのりの母親。

その春ってどの春やねんっと思ったら過去でした。第一章の年の春ですね。

第一章で話に出てきたイチゴ狩りの約束をしている頃。母親の日常。娘達がわりとわがままで大変そう。母親ってのは大変ですね。。。

第三章 みやこ―去年の春
「るり姉」の姉(けい子)の次女が語り手。

勝手に男の部屋に上がり込むみやこ。さすが腐ったキャベツ。というかそんな頭で中学なんて行けるもんなのかしら。生活指導の先生に怒られて終わりやん。

スマトラオオコンニャク?単体の花?花序の花?

ちょっと調べたけどよくわかりません(゚∀゚)

第四章 開人―去年の秋
「るり姉」の二度目の旦那が語り手。

「るり姉」を落とすための話。そこまでしないと結婚ってできないのか。。。

あんた、考えてもごらんよ、将来一人じゃつまんないよ。どうすんのさ、男やもめでさ。

実家帰ったときに似たようなこと言われた身としては、一般論として親世代はそう思うんだなと思ったのでした。。。

第五章 みのり―四年後 春
「るり姉」の姉(けい子)の次女が語り手。

中学時代はバレーボールやってたのに、いきなり軽音楽部へ。まあ高校時代運動系の部活やってても大学に入ったら音楽やりだすとかあるから普通かな。

実はけい子はピアノが弾けるとか。そりゃあみのりも驚くわ(笑)

他の章で話題になったことが別の章で補完されてるといえば補完されてるんだけど、ちょっと物足りないかな。逆にリアリティがあると言えるけど、何かすっきりしたい気もする。

「るり姉」の離婚の原因とかけい子の離婚の原因とか、慰謝料とか養育費とかもらってるのかしらとか、腐った赤キャベツ状態でどんな学校生活なんだとか、なんでけい子の元旦那はみやこにだけ会ったんだとか、色々わからないです( ´ー`)フゥー...

るり姉は魅力的だし日常小説としては悪くはないけど、最初にエンタメ1位で感動作って言われていると物足りない作品。

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